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嫡出でない子の相続、異母兄弟・異父兄弟の相続について

相続人の確定

相続の手続をする際、まず、相続人を確定する必要があります。被相続人が生まれてから亡くなるまでの戸籍謄本を取り寄せるのですが、この時、知らなかった相続人の存在が判明することがあります。

相続の手続を進める上では、この知らなかった相続人とも連絡をとり協議する必要が出てきます。今日は、この『知らなかった相続人』の話です。

 

親の遺産を相続する場合~嫡出でない子・嫡出である子

(1) 例えば、父が亡くなり、戸籍謄本を取り寄せると、認知した子がいた場合です。法律上、婚姻関係にない両親から生まれた子であっても、認知されている場合(嫡出でない子)は相続人となります。

この嫡出でない子の相続分として、以前は、嫡出子の半分とされていましたが、平成25年の民法改正でその規定は削除されました。

ですから、同じく父から生まれた「子」として嫡出子と同じ相続分になります。

例えば、4人家族で父に隠し子が一人いたケースですと、父の遺産総額が3000万円の場合、遺言がないとすると、母が1500万円、長男と長女と、相続を機にその存在のわかった次男の3人が、子として各500万円ずつの取り分となります。

(2)認知には、遺言による認知などもあり、被相続人が亡くなった時点では戸籍に反映されていない場合もあります。さらに、死後認知と言って、亡くなった後、検察官を相手として認知請求の裁判がなされる場合もあります。

いずれにしても、亡くなった父とすると、生前、家族に告白できなかった事柄でしょうから、残された家族とすると気持ちが穏やかではありません。

その他、母親の遺産を相続する場合、『母が再婚で前夫との間に子供がいた』というケースであっても、生前、前婚の子の存在を告白できなかったなど、母の死後、戸籍を辿って初めて知ることになった場合なども、複雑な気持ちになることもあります。

 

兄弟姉妹の遺産を相続する場合~異母兄弟・異父兄弟

(1)兄弟姉妹が亡くなった場合であって、その人に配偶者や直系尊属、子や孫がいない場合の相続です。

異母兄弟、異父兄弟は、いわゆる半血のきょうだいと言われ、両親が同じきょうだいである全血のきょうだいの2分の1の相続分と規定されています(民法900条4項但書)。

例えば、両親が互いに再婚の場合、両親を同じくする兄弟姉妹の関係は全血のきょうだいですが、母の前夫の子や父の前妻の子は、両親を同じくする兄弟姉妹から見ると、半血の兄弟姉妹になります。

父に前妻との間に長男が一人いた場合、独身の次男が亡くなり、その長男と長女と次女の3人が相続人の場合です(母親は既に亡くなっているケース)。

長男:1、長女:2、次女:2の割合となり、次男の遺産総額1000万円とすると、長男200万円、長女400万円、次女400万円の取り分となります。

(2)存在を知らなかったり、行き来のない兄弟姉妹の場合にも、相続発生を機に協議する必要が出てきます。あるいは、世代が下り、その子(甥や姪)との間の協議の場合もあります。

きょうだいが多い場合には、調査をし連絡をとること自体が大変なときがあります。

 

弁護士の役割

(1)相続人の存在を知っていた、あるいは戸籍を辿れば明らかになるケースですと、感情的なわだかまりは少ないかもしれません。

しかし、日頃から行き来のある相続人の間でさえ、弁護士が入らないと解決しない相続問題もあります。

まして、初めて知る亡き夫の子の存在、謄本を取って初めて知った兄弟姉妹の存在など、驚きと共に被相続人に裏切られたような感情など、心穏やかではいられないこともあります。

そうすると、遺産である不動産をどのように分けるか等の分割方法の場面で、協議が円滑に進みません。

(2)そもそも、戸籍を辿ることの難しいケース、連絡がとれないケースなどもあり、相続発生の早い段階から弁護士が入ることで、漏れなく相続人を確定し、また第三者である弁護士が代理人となって協議することで、本題である遺産分割の話も円滑に進む場合が多いものです。

 

私が関わらせていただいたAさんのケース

第3順位の兄弟姉妹の相続事例です。

(1)お子さん二人の4人家族でしたが、若くして次女が亡くなり、ご主人が亡くなり、Aさんは施設に入り、独身の長男がお世話をされていたのですが、長男も亡くなり、その後Aさんも亡くなりました。

Aさんの後見人から私へ依頼がありました。

(2)きょうだいが多く、亡くなられていた方も多かったケースでした。

辿っていくと、亡くなった姉の長男(甥)も亡くなっていたり(なお、兄弟姉妹の相続の場合、甥の子は相続しませんので代襲相続はありません。)、亡くなった弟が養子縁組をしていたがその養子も亡くなっていたり、Aさんの亡父の婚姻外の子で被相続人の異母弟の存在が判明するなどし、調査するのに時間を要した事例でした。

この異母弟と姪の2人が相続人であることが確定しました。

幸いそれぞれと連絡がとれ、遺産である不動産を売却し金銭を分けることで円満に解決しました。法定相続でしたから1:2の割合です。

最後に登場した弟さんですが、生前の母親は、出生のこと、父親のことを聞いても詳しくは教えてくれなかった。兄弟姉妹がいることは知っていたが、自分では調べられなかった。今回、姉(Aさん)のことが分かり、大変嬉しい、お墓参りに行きますと、大変喜んでいただいた案件でした。

 

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