不動産の活用・相続

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不動産の評価額を知りたい

不動産の評価額を知りたい

目次

不動産の買い替えや相続した不動産の売却を検討中の皆さんが、最も知りたいのはいくらで売却できるのか?売却代金を予め把握したいところです。

不動産の価格査定には、買主目線が必要不可欠です。

売主・買主・不動産業者が、WIN・WIN・WINになれる価格を導き出すのが不動産業者の腕の見せ所です。

不動産取引の価格査定は「時価(適正価格)」ではなく売主・買主・不動産業者が得をしたと思える成約見込価格である「売れる価格」を導き出すことです。

売主はできるだけ高く査定されたいですし、査定の前に準備できることがあればしておきたいと思っている人も多いのではないのでしょうか。

そこで、どのようにして不動産業者は、「売れる価格」を算出しているのでしょうか?

不動産の売却価格(査定価格)はどのような視点で決まるのか!6つのキーポイント

不動産会社にネット・メール・FAX等連絡をすると、不動産の所在・構造・面積・築年数・売却理由などのヒアリングをもとに、売却代金を机上で査定してくれます。

しかし、それぞれ不動産には個性・特徴があるため、価格査定は机上のデーターにとらわれず、次のようなポイントを確認して現場判断で「売れる価格」を決定していきます。

ポイントを把握することにより、安心して・より高く・よりスムーズに不動産売却ができるのではないでしょうか!

ポイント1 不動産の所有者は誰か?

不動産会社は、訪問し不動産を査定する際、誰が所有者か?どのような担保がついてるのか?を把握できる登記事項証明書を事前に取得します。

訪問査定では、登記事項証明書の所有者と売主が同一人物かの確認をします。最近話題になった地面師による詐欺を未然に防止します。

登記事項証明書の所有者と売主が同じであれば、特に問題はありません。

他方、相続が発生した不動産では、登記事項証明書の所有者と売主(相続人)が異なる場合があります。登記事項証明書の所有者欄が被相続人(亡くなった方)名義になっているためです。

相続した不動産の売却を検討している際は、司法書士等の相続の専門家に相談し、速やかに不動産の名義を相続人名義に変更することをお勧めいたします。

真の所有者が誰かよく分からない不動産は、不動産会社も買主も不安になり、それ以上先に売却手続きを進めることはできません

ポイント2 土地の境界が確定されているか?

戸建てを売却する際には「土地」が含まれるため、その土地の「境界」がどこなのかが重要となります。

この「境界」は、隣地や道路との線引きを明確にするとともに、不動産の価値を決める大事な要素になります。

土地の境界を隣地や役所との間で確定させた確定測量図は、不動産取引において非常に重要になってくるのです。土地の価値は通常、土地の広さに比例しますし、境界が不明瞭な土地の売買は、不安が残るため売買価格も低く設定されます。

土地の境界を明確にするために境界には石や金属でつくられた境界杭が埋まっています。

確定測量図・筆界確認書(各境界ラインの隣地所有者との間で境界について合意をした書面)・境界杭を事前に確認しておきましょう。

境界が確定していない不動産は、土地家屋調査士・測量士に依頼をして、予め境界を確定することが必要です。

かかる境界確定は、隣地者の協力が必要なため時間がかかることもあります。

日頃から隣地の所有者とは良好な関係を築くことがとても大切です。

ポイント3 越境はしていないか?

境界が確定していることを確認すると、次は越境の有無もチェックします。越境は、木の枝やブロック塀、コンクリート擁壁、建造物等、空間の上下に及びます。

この点、越境は、多少のものであれば、ほとんど不動産価格に影響はないと考えられています。

ただ、ブロック塀や擁壁が越境している際は、その所有者は誰なのかが問題となるので、その所有者が隣地者なのか自分なのかを確定しておくべきです。

もし、越境の内容が木の枝が隣に越境している程度の簡易なものであれば、売却前に越境の問題を解消しておくことをお勧め致します。

ポイント4 誰もが良し悪しを理解できる要素を価格に反映する!!

買主は、不動産の専門的な知識を有しないのが通常です。

戸建てだと、耐震性とか気密性などに関しては価格に反映しにくいといえます。

マンションだと、2重床・スラブ厚などの遮音防音性、ペアサッシや外張断熱など耐熱性、給排水管の劣化度などの機能の優劣は価格に影響しにくいといえます。

他方、専門家でなくてもわかる立地・駅からの距離・面積・築年数・室内の様子・外観などの要素は誰もが見て理解でき、体感ができる要素は価格に反映されやすくなります。

眺望・日照・通風

築年数・構造・間取りが同じでも、眺望や日当たりがよいと査定価格は高くなります。

高台の建物は、人気が高く、海・富士山・夜景がきれいに見えると希少性はより増します。

また、日照はどの方角に道路が面しているかがポイントです。南・東・西・北の順番で評価されます。角地の場合には、南東の角が評価されます。

さらに、家の中に風が抜けるような設計であると、通風状態が良い建物と評価されます。

騒音・振動・臭気

騒音、振動、臭気も評価するうえで気になるところです。

特に、工場・線路や大きな道路に隣接している戸建ての場合、騒音や振動に関しては、マイナス要因となります。

また、嫌な臭いを発生させる施設等があれば、マイナス要因となります。

雨漏り・シロアリ・残置物

雨漏りやシロアリ被害や残置物が多い場合は、修繕・回復費用が発生するため評価はどうしても下がります。

近隣住民とのトラブル・周辺環境

不動産会社は査定の際に周辺の生活環境の調査を行います。

最寄駅やバス停、商店街、スーパー、コンビニエンスストア・公共施設(学校・病院・役所等)などの位置や距離さらに近隣関係を調べます。

近隣住民にトラブルメーカーがいる場合は、査定のマイナス要因となります。

また、近くに工場・宗教施設・暴力団事務所等があることも査定評価が下がります。

買主が不動産を購入して得をしたと感じる要素を削る要素はマイナス要因となります。

逆に、閑静な住宅街に、公園・コンビニエンスストアー・スパー・公共施設などがある場合は、生活の利便性がアップするためプラス要因となります。

買主にとっては、周辺環境の良し悪しは不動産購入の際に、大きな判断要因となります。

必ずしも、物件そのものだけの価値で査定額が決まるわけではありません。

ポイント5 不動産の希少性・汎用性

査定不動産が希少性のある不動産なら時価より高い査定がされます。

希少性のない普通の不動産なら時価査定がされても、「売れる価格」は時価以下であることも想定されます。

最寄駅から徒歩3分である不動産は、希少価値が高いといえますが、徒歩15分となるとよくある住宅街の不動産となり同一エリア内での類似の不動産が多く、買主の選択肢も広がるため、当然に査定価格は伸びません。

もっとも、同じ徒歩15分圏内でも新築物件は希少価値が高いといえます。

不動産に希少性があるかどうかが、査定価格に影響を与えます。

ポイント6 エリアごとの価格相場や平均年収

不動産の所在するエリアごとに売れる価格帯というものがあります。

戸建て3800万円が上限エリアで5000万円の価格で売りに出した場合は、なかなか売れず売出価格をずるずる下方修正し、売れない不動産のレッテルを張られることもあります

価格査定の際にはエリアの価格相場や平均年収・生活水準を念頭に入れて売れる価格を算出します。

家の査定額はどう決まる?計算方法と査定の考え方を解説

ここまでは、不動産会社が査定をする場合にはどこを評価しているのかを見てきました。

ここでは、そもそも不動産会社がどのような方法で査定をしているのかを把握しましょう。

不動産の価格査定には、次の3種類の方法があります。

以下の方法を組み合わせて査定することもあります。

 

①取引事例比較法

②原価法

③収益還元法

 

取引事例比較法

査定不動産の周辺地域で過去にあった類似物件の取引データーを参考にして査定額を算出します。マンションの価格査定に用いられます。

類似の事例をどれだけ多く集められるかが正確な査定を行うポイントとなります。

不動産の周辺環境・築年数等類似要素が異なると査定額が大きく異なるので補正を慎重に行うこととなります。

取引事例還元法を用いた価格の算出事例をご紹介

原価法

今、建っている建物を解体し再び立て直した場合に、いくらかかるか(再調達価格)を計算します。その価格を建築年数・老朽化・陳腐化に応じて減額調整(減価修正)します。

戸建ての評価額を出す際には有効な計算方法です。

原価法を用いた価格の算出事例をご紹介

収益還元法

賃料収入がある収益不動産の価格査定に用いるのが収益還元法です。

計算式は次のようになります。

「査定価格=(純収益÷還元利回り)×補正」

還元利回り=(純収益÷不動産購入価格)のような単純な計算では算出できません。

例えば、同じ通りに面したビルがあるとして、ビルAはオフィスビル、ビルBは飲食店等ソーシャルビル。どちらのビルも純利益が1000万円だとしても、両方のビルを同価値と考えることはできません。

ソーシャルビルの賃料単価は高いかもしれませんが景気に左右される要素が大きく、テナントの出入りもオフィスビルに比べて頻繁であると考えられます。

そのため、ビルのオーナーとしては賃料収入において不安定な立場に置かれ、オフィスビルのオーナーよりもリスクが高いといえます。

収益還元法を用いた価格の算出事例をご紹介

これまで3つの査定価格の計算方法を紹介しましたが、売買は売主・買主が代金も含めて売買契約に納得して成立します。紹介した計算方法は不動産会社が売主・買主に納得してもらうための根拠資料です。

国土交通省が不動産取引を実際に行った人を対象にしたアンケート結果をデータベース化したサイト「土地総合情報システム」があります。

過去の取引相場のデータベースを見ることにより、それなりの査定額を予想することができます。

査定を依頼する不動産会社の選び方・付き合い方の疑問

査定を依頼する不動産会社の選び方・付き合い方で質問を受けることがあります。

いくつか紹介いたします。

不動産の査定依頼者の態度も査定されているの?

不動産査定において、売主・買主・不動産業者がWIN・WIN・WINになれる「売れる価格」を導き出すのが、不動産業者の腕の見せ所です。

不動産の価値を最大限まで引出すうえで、売主が非協力的で隠し事が多いと不動産を高く・スムーズに売ることは困難です。

また、態度の悪い売主は、無理難題を投げかけ営業マンを振り回すリスクが高いため、売却へ向けて消極的になります。

査定依頼者は営業担当者と良好な関係を構築し、積極的にコミュニケーションをとることをお勧め致します。

不動産の査定方法は無料or有料の2種類!どちらを選ぶべきか?

不動産の評価査定を行う国家資格者として不動産鑑定士がいます。

不動産鑑定士の鑑定評価は、有料ですが、国や都道府県が土地の適正な価格をー般に公表するための地価公示や地価調査の制度をはじめとして、公共用地の取得・相続税標準地の評価・固定資産税標準宅地の評価・裁判上の評価・会社の合併時の資産評価・現物出資の評価など国や地自体に認められた評価額です。

しかし、不動産売買を見越しての不動産評価は、「売れる価格」の算定であるため、不動産鑑定士を介する必要はなく、不動産会社の無料の査定で十分です。

机上査定・訪問査定は何が違うの?机上査定は必要ですか?

実際に不動産を売却するとなると、訪問査定は必要不可欠ですが、取り急ぎ机上査定をいくつか依頼して相場を把握することはよいことではないでしょうか。

査定額が最も高い不動産会社がよいのでしょうか?

不動産査定は一括サイトなどネットを利用するとたくさんの不動産会社へ依頼できます。

査定価格もそれぞれとなります。

各不動産会社により営業戦略や保有している情報が異なるからです。

注意しなければいけないのは、最も高い査定金額を提示してくれた不動産会社を信用できる要素があるか?です。

本当は高値で売れる見込みが無いにもかかわらず、不動産の媒介契約を取るために査定金額を釣り上げていることもあるからです。

信用できる要素は、1番は知人や相続手続きを依頼した専門家からの紹介ではないでしょうか。紹介がないような場合は、複数の不動産会社に査定依頼をしてコミュニケーションを図り信用できる要素を探すことです。

売却予定の相続不動産の相談を司法書士等の専門家にするメリット

不動産を相続し不動産の売却を検討している場合は、司法書士・弁護士・税理士等の相続の専門家に相談することをお勧め致します。

相続財産の大部分は不動産が占めています。

相続人の誰が不動産を相続するかで、相続税額が異なることもあります。場合によっては相続税の納税自体が不要となることもあります。

相続した不動産の売却を検討している場合は、各種制度を活用した不動産取得税に対する対策等の税金面をも考慮に入れて、遺産分割協議・遺産分割協議書の作成を行うと賢く不動産を売却できます。

また、相続の専門家は職業柄、不動産会社とも接点があるため、当該専門家から不動産の売却にあたり不動産会社を紹介してもらうこともできます。

まとめ

不動産の価格査定の依頼をするのは売主ですが、不動産会社は買主が「この不動産を買いたい」と思う価格を提示します。売主に偏った価格は提示しません。

そのため、買主が「この不動産を購入して得したな!」と思ってもらえる要素が査定した不動産にあることが大切になります。

相続をした不動産の売却査定に関しては、相続手続きを含めて司法書士等の相続の専門家を窓口にすると、安心・安全・迅速に不動産売却へ向けてスタートできます。

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