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相続人

相続人がいない場合の手続について 相続財産管理人とは・・・

相続財産管理人とは

相続財産管理人とは、相続人の捜索と相続財産の管理及び清算の手続を行う人です。

では、どういった場合に、この人が必要になるのでしょうか?

手続の流れを理解して頂くために、次の4つの場合を想定してみました。

上記の場合において、財産はあるものの、その相続人がいるかどうかはっきりしない状態でXさんが亡くなってしまった場合、A~Dさんは、残されたXさんの財産から貸したお金の返済などをして貰うため、Xさんの最後の住所地を管轄する家庭裁判所に、その財産の管理及び清算をする人(=相続財産管理人)を選任して貰う請求(=申立)をすることができます。

 

第1の公告 相続財産管理人選任の公告 2ヶ月

この相続人不存在の手続には、3つの公告4つの期間が出てきますが、家庭裁判所が、上記の申立を受けて相続財産管理人を選任すると、その旨を家庭裁判所の掲示板に掲示しかつ、官報に掲載して、3つのうちの最初の公告を2か月間行います(①相続財産管理人選任の公告2か月)。

この間、相続財産管理人は、相続財産の現状を調査し、財産目録を調整して家庭裁判所に提出し、現状を保全するため、例えば預貯金の払い戻しをしたり、場合によっては、裁判所の許可を得て相続財産を売却したりもします。

 

第2の公告 債権申出の公告・催告 2ヶ月

家庭裁判所が相続財産管理人選任の公告をした後、2か月以内に相続人のあることが明らかにならなかった時、相続財産管理人は、全ての相続債権者(Aさんも含まれる)・受遺者(Bさんも含まれる)に対し、2か月以上の期間を定めて、その期間内に請求の申出をすべき旨を官報に掲載して公告し(②債権申出の公告・催告2か月)、知れている相続債権者・受遺者には各別に催告しなければなりません。

 

そして、この債権申出の公告期間内に相続人が現れなかった時に、相続財産管理人は、相続財産をもって相続債権者及び受遺者に対して弁済することになります。

 

弁済は、次の順に配当を受けることになります。

(1)対抗要件を具備しているなど優先権のある相続債権者

(2)債権申出公告の期間内に申出をした又は知れている相続債権者

(3)受遺者

(4)債権申出公告期間内に申出をしなかった相続債権者及び受遺者で相続財産管理人

に知れなかった者

 

想定したAさんは、Xさんの債権者が他にもいて、Xさんの相続財産が全ての債権者を満足させられない場合は、その債権額の割合に応じて、相続財産管理人選任の公告から約4か月後に弁済を受けることになります。

また、Bさんは、Xさんの債権者がいる場合は、Xさんの自宅を競売に付さなくても全ての債権者が満足を受けられる場合でなければ、自宅を譲り受けることが出来ません。

 

第3の公告 相続人捜索の公告 6か月

相続債権者・受遺者に対する債権申出公告に定めた期間の満了後、なお相続人のあることが明らかでない時は、家庭裁判所は、相続財産管理人等の請求により、相続人があるならば6か月以上の期間内にその権利を主張すべき旨を公告しなければなりません(③相続人捜索の最後の公告6か月)。この公告は、当然のことながら、相続債権者・受遺者への弁済が行われてもなお残余財産がある場合でなければ行われません。

①相続財産管理人選任の公告2か月・②債権申出の公告2か月・③相続人捜索の最後の公告6か月と3回の公告が行われ、相続人捜索の最後の公告期間が満了するまでに相続人としての権利を主張する者が現れなかった時は、相続人の不存在が確定することになります。

 

特別縁故者に対する相続財産の分与

相続人不存在が確定した場合において、なお残余財産がある時は、家庭裁判所は、被相続人と生計を同じくしていた者、被相続人の療養看護に努めた者その他被相続人と特別の縁故があった者からの請求によって、残余財産の全部又は一部を与えることが出来ます。

この財産分与の申立は、相続人不存在が確定してから3か月以内にしなければなりません。

想定したCさんは、Xさんの相続財産管理人選任の公告から約10か月後の日から3か月以内に家庭裁判所に申立して、その申立が相当と認められれば、残余財産の分与を受けることが出来ます。

 

想定したDさんは、Xさんの共有持分について上記特別縁故者からの財産分与の申立がなく又はその申立を却下する審判が確定した場合に、その持分を取得することが出来ます。

この場合の持分移転登記は、相続財産管理人とDさんとの共同申請により、Xさんの死亡の日から少なくとも13か月経過後の日の、特別縁故者不存在確定を原因として行われます。

 

以上の手続が全て行われてもなお残余財産がある場合は、相続財産管理人において、その残余財産を国庫へ引き継がせることになります。

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この記事の著者

  • 司法書士

    中井 浩一