相続
相続全般の知識・手続き・相談
限定承認とは?
目次
『借金は、相続しなくてはならないの?』
結論から言います。借金は、マイナスの財産なので、相続しなくて大丈夫です。相続放棄してください。
だけど、借金だけ相続放棄することはできません。借金もあるけど、プラスの財産になる、預貯金や不動産、確実に高価な査定のでる骨とう品などがある場合は、大まかに相殺してみて、結局自分に残るものがプラスなのか、マイナスなのかを検討してから、相続について手続きをすることができます。
そのため、亡くなったことを知った日から「3か月以内」に、裁判所に申請するという時間があります。3カ月という時間は、仏式でいうと百日法要よりも短いですが、やってやれないことはありません。
相続放棄とは
相続放棄とは、プラスの財産もマイナスの財産もすべて相続しないという手続きです。当該の家庭裁判所に申請すれば、1週間~2週間からで、その証明になる書類が届きます。
ここで、一つ誤解されたくないのは、夫婦間や親子間などで連帯保証人になっていた場合です。相続放棄は、相続人としての借金を支払わなくていいことです。相続放棄しても、連帯保証人の立場までは外れるわけではないので、支払いの義務は残ります。
安易に保証人にならないことが大切ですが、どうしても保証人にならなければならない時は、単純保証人なのか、連帯保証人なのかを確認してから、単純保証人を選択してください。
放棄した財産は、どうなるの?
配偶者や子供が放棄した場合は、故人の両親や兄弟姉妹に相続の権利が移ります。借金があったことをあえて教える必要はないのですが、権利が移った人たちも、3ヶ月以内に相続するか放棄するかを決めなければなりません。
あえて、マイナスの財産だけならば、放棄することを教えるのも人の道ではないでしょうか。
この方々が放棄した場合、その子供たちに権利が移っていきますが、個人情報で守られている現代、そこまで調べての取り立てはないと思われます。
家などの不動産は、根担保に入っていない限り、固定資産税の滞納などの理由で、行政が一番に物納品として持っていきます。
それでも、相続放棄を選べない人に~限定承認
プラスの財産で払えるのみの「限定承認」という方法があります。
3か月以内に借金していたことがわからなくて、相続がすんなり済んでしまう場合があります。この場合は、予想以外にプラスの財産が多い場合があるようです。
その代表格が、家です。家には思い出という金額に換算できない財産が詰まっています。また、そこで生活していきたいという日常もあります。
この時、家の評価額の範囲内分だけで、借金を返済するということになります。
ただこの手法は、財産目録を家庭裁判所に申告しなければならず、裁判所の決定を待たなければならないので、なかなか難しいものです。
相続は、必ず家庭裁判所に行かなければならないの?
相続人は、亡くなったのを知ってから三カ月で、自動的に相続したものとみなされます。
だから、難しい書類を書きたくない。裁判所に行きたくない。プラスの財産も、マイナスの財産もすべて引き受ける(知りたくもない心理状態で3か月過ごす人もいます)。などなど、なにもしなければ、「単純相続」が執行されます。
保険金は受け取って大丈夫?
生命保険の保険金は、財産ではありません。契約した時点で死亡受取人が設定されているので、受け取る権利があります。
さらに、受け取ったからと言って、相続放棄をきちんと手続していれば、マイナスの財産である借金を払う必要もありません。
またリースなどの代金が、銀行引き落としになっている場合、相続放棄後に、知らない金融機関から現金書留が届く場合があります。
それについても、生前に支払ったものとして、財産ではなく受け取ることが出来ます。金融機関も、正式な相続者=返済受取人として調査してから、送っているので問題はありません。しかし、葬式後のいろんな諸費用に消えてしまう程度の額なので、あまり期待してはいけません。
相続に困ったら、プロに頼むと言う手もある
3カ月という期間は意外と短いものです。自分で、故人が借金してそうな金融機関に問い合わせることもできますが、金融機関ではないところから出てくる場合もあります(初七日が終わってまだ整理もつかない時に、「実はお金を貸していた」と少額の取り立てにくる詐欺師もいます。その時は、借用書がなければ支払う必要はありません。仮に借用書があっても、故人の筆跡であるかどうか精査する時間をもらって、すぐに払ってはいけません)。
人は、生前、家族でも想像できないようなことを案外行っているものです。うちの家族に限ってそういうことはあり得ないと信じたい気持ちはわかります。
しかし、借金の有無や、意外にあったプラスの財産などを調査してもらうために、弁護士に依頼してみてはいかがでしょう。
他人だから事務的に確実な調査をして、報告書を、相続するかどうか迷っている期間内に出してくれます。決めるのはそれからでも十分間に合います。
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一般社団法人士希の会が運営する「空き家相続サービス」では空き家を中心とした不動産の相続に関するコラムや解決事例を紹介しています。空き家になった不動産の利活用や売却もしっかりサポート!不動産相続の専門家を調べることができるので、ご自身に合った専門家を見つけることができます。
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