【取り扱い業務】
〈遺産相続〉
遺産相続とは、相続人が、被相続人の一身に専属したもの以外の被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継するものです。(民法896条)
相続は、被相続人の死亡によって開始します。(民法882条)
相続人が複数人いる場合には、その相続分に応じて被相続人の権利義務を承継します。(民法882条)
相続分については民法第900条に規定があります。子及び配偶者が相続人であるときは、子の相続分及び配偶者の相続分は、各二分の一となります。配偶者及び直系尊属(主に被相続人の両親など)が相続人であるときは、配偶者の相続分は、三分の二となり、直系尊属の相続分は、三分の一となります。配偶者及び兄弟姉妹が相続人であるときは、配偶者の相続分は、四分の三となり、兄弟姉妹の相続分は、四分の一となります。子、直系尊属又は兄弟姉妹が数人あるときは、各自の相続分は、等しいものとなります。
上記と異なった遺言をすることも可能ですが、兄弟姉妹以外の相続人は、遺留分を有しています。直系尊属のみが相続人の場合は被相続人の財産の1/3(1028条1号)それ以外の場合は全体で被相続人の財産の1/2(1028条2号)が遺留分の割合となります。遺留分権利者が遺留分減殺請求権を行使すると、遺言と異なっていたとしても上記遺留分を請求することができます。
なお、この記載は、改正相続法施行時点で差し替える予定です。
〈遺産相続の流れ〉
被相続人が死亡し相続が開始されると、相続人が相続が開始したのを知ってから3ヶ月以内に相続の方法を確定する必要があります。相続の方法には主に、単純承認、限定承認、相続放棄の3種類があります。被相続人の負債の額や財産の額などに応じて上記3種類の中から一つの相続の方法を選択する必要があります。
その際には相続する予定の財産を調査する相続財産調査が必要になります。相続放棄する場合及び限定承認する場合は、家庭裁判所に申述する必要があります。相続人が相続を開始したのを知ってから家庭裁判所に申述をせずに3ヶ月が経過すると単純承認したものとされてしまうので注意が必要です。
また、相続人が複数いる場合は誰がどの財産も相続するのかを決定する遺産分割協議を行う必要があります。遺産分割協議の際には、トラブルを防止するため相続人全員が参加していることが必要です。そのため、相続人が誰であるのかを調査する相続人調査を行う必要があります。
また遺留分を有している相続人は、遺言または生前贈与によって自己の遺留分よりも少ない額しか相続できないとされている場合には、遺留分減殺請求を行って自己の遺留分に相当する相続財産を相続することができます。
なお、この記載は、改正相続法施行時点で差し替える予定です。
〈遺産相続を司法書士に依頼するメリット〉
遺産相続にあたっては、被相続人の不動産を相続するケースが多いです。不動産を相続する際には不動産登記の名義変更を行う必要があります。 司法書士は不動産登記のプロですから、不動産を相続する際には司法書士にご依頼されることをお勧めいたします。
相続登記や相続放棄の手続きの際には、自身の戸籍謄本だけでなく被相続人の戸籍謄本を準備する必要があります。戸籍謄本を準備する際の手続きは複雑になることが多く、個人で行うことが困難な場合があります。
さらに相続放棄の手続きに関しては3ヶ月以内に行わなければならないという期間制限もあるため、煩雑な手続きを放置しておくと相続の単純承認をしたとされてしまい思わぬ損をする可能性もあります。
司法書士にご依頼いただければ、必要な書類の準備に関してはすべて司法書士が行うので、煩雑な手続きを自分で行う必要がなくなり、書類の記載漏れなどのリスクも少なくなります。その他にも、遺産分割協議書の作成、遺言書の作成など相続に関わるさまざまな書類に関して司法書士が相続人に代わって書類を作成することができます。これらの書類に関しても形式的な要件が複雑であったり、内容を詳細に書かなければならないなど個人で作成するのが困難な場面があります。
〈不動産登記〉
土地や建物などの不動産を第三者に対して自分の所有物であると主張するためには、不動産登記を行う必要があります。不動産は動産と比較して高価なものであるため、取引を行う際には慎重に権利関係の調査を行わなければなりません。しかし、仮に取引を行う際に「この土地が誰それの物である」と明確に示されていなければ、誰もが土地所有権を主張する事が可能となり、真の所有者が誰か分からなくなってしまう恐れがあります。
そのような事態を防ぐためにも、不動産の情報を登記簿に記録する事が必要になります。登記を行うことで不動産の権利関係が明白となり、円滑な不動産取引を進めることが可能となるのです。
実際の登記簿は「表題部」と「権利部」に分けられており、それぞれの部分についての登記を行います。表題部は主に不動産の所在地や地番、建物の場合には種類や構造など、不動産の物理的な現状が記録されています。その一方で権利部は不動産の権利に関する記録が登録されており、「甲区」と「乙区」に分けられています。主に甲区ではその不動産の所有権に関する権利が登録されており、乙区では所有権以外の権利についての登録がされています。
なお、登記が義務付けられているのは表題部に関する事項のみです。不動産登記法では、新築住宅を建てた所有者は1か月以内に表題部に関する登記を行わなければならず、違反した場合には10万円以下の過料が課せられるとしています。その一方で、権利部に関して登記義務はありません。しかし、権利部に関しても登記を行わなければ第三者に対抗することが出来ないため、登記義務がなくても登記をしておいた方が良いでしょう。現在、長期にわたって未登記になっている不動産が社会的に問題になっており、登記を促進するために登録免許税の軽減措置も取られています。
〈不動産登記に関するご相談は大原司法書士事務所にお任せください〉
不動産の登記は対象となる不動産を管轄している法務局で行います。法律上、専門家でない方が単独で登記を行うことは不可能とされていません。ただ、現実的な話を考えると、法律の専門的な知識がないのにも関わらず、登記を最後まで完了する事は非常に難しいと言えます。なぜなら、法務局へ提出する書類は多く存在するので、それらを自分一人の力ですべて集めるという事は大変な労力や時間が必要になります。更に提出する申請書の作成のためにさまざまな不動産や税金に関する知識が必要となるので、全てを1から学ぼうとすると、多くの時間を不動産登記の勉強に費やす形になってしまいます。
また、個人で行う登記には限界があるのも問題の1つだと言えます。例を挙げると単なる所有権登記や所有権保存登記などは、知識があれば自分一人で行うことも不可能ではありません。しかし、住宅ローンが絡んでくる抵当権設定登記となると話は異なります。抵当権の設定を行う際には、より複雑な書類が必要になってくるため、金融機関によっては司法書士が要求されるケースも存在します。
このように登記手続きには非常に専門的な知識が要求されます。そこで、登記を行うと決めたら専門家である司法書士に依頼を行うことによって、個人の負担が軽減されることが期待できます。司法書士は登記に必要な書類作成や書類収集などの面倒な事務作業を全て行ってくれるので、登記手続きに時間を取られる心配もありません。
〈不動産登記に関する流れ〉
不動産を取得した場合、登記を行わなければその所有権を第三者に主張することができません。ここでは実際に登記を行う際に必要な書類や大まかな流れについての説明を行います。売買契約などによって不動産を取得した際に必要となる書類は、以下の通りです。
- ・登記事項証明書
・売買契約書や贈与契約書などの登記原因証明情報
・買主の住民票
・売主の印鑑証明書
・固定資産評価証明書
・登記識別情報
・登記申請書
これらは登記を行うために最低限必要となる書類です。なお、登記の原因によっては別途書類が要求される可能性もあるので注意が必要です。
実際の登記は登記を行う不動産を管轄する法務局で行います。その際、窓口で上記の書類を提出します。その後、「法律上に問題はないか」、「書類に不備はないか」、「正しい登記移転なのか」と言った旨の調査が登記官によって行われます。もし、この際に書面の不備が見つかった場合には、登記を行うことが出来ないため、補正を求められるケースもあります。これらの厳密な調査を登記官が行い特段の問題もなければ、無事登記が完了します。
登記が完了したら、登記識別情報通知書及び登記完了証を受け取ることになります。この登記識別情報は、次に何らかの登記を行う際に必要な書類となってくるため、大切に保管しておく必要があります。
〈成年後見〉
成年後見とは
成年後見とは 、精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者、すなわち意思能力を欠く者に対して、本人、配偶者、四親等内の親族、未成年後見人、未成年後見監督人、保佐人、保佐監督人、補助人、補助監督人又は検察官の申し立てによって 、本人を援助する人として成年後見人を選任する制度です。
成年後見人の権限
成年後見人は成年被後見人(本人)の行為に対して代理権と取消権を有しています。成年後見人は成年被後見人の財産に関する法律行為の全般に関して代理権を有しています。
そして、 成年後見人は成年被後見人の日常生活に関する行為以外の行為に関して取消権を有しています。どのように成年後見人は成年被後見人に対して幅広い権限を有しています。
成年後見人の義務
民法858条は、「成年後見人は、成年被後見人の生活、療養看護及び財産の管理に関する事務を行うに当たっては、成年被後見人の意思を尊重し、かつ、その心身の状態及び生活の状況に配慮しなければならない。」と規定しています。すなわち、成年後見人は成年被後見人に対して身上配慮義務を負っているということです。さらに成年後見人は後見に関する事務を行うにあたって善管注意義務が課せられています。 (民法644条,869条)
〈成年後見のメリット・デメリット〉
成年後見のメリット
精神上の障害等により事理弁識能力を欠いている方は自己の財産等を管理することができず、いたずらに財産を浪費してしまったり、詐欺にあってしまい、財産を失ってしまうと言うリスクがあります。しかし成年後見人を選任し、財産の管理を任せれば上記のようなリスクを軽減することができます。また、ご高齢の方に対して成年後見人が選任された場合、財産の管理を代わりに行って、相続財産に関しても成年後見人が整理をすることができます。
さらに、 任意後見制度を利用すれば、自分が事理弁識能力を欠く前に事前に成年後見人をあらかじめ指定しておき、後見開始の審判があった際に指定しておいた人を自己の後見人とすることができます。自分の信頼する人を後見人とすることができるので、後見人が後見人の権利を濫用するようなリスクを避けることができます。
成年後見のデメリット
後見開始の審判がなされると、自分の財産の管理は後見人が行うこととなり自分で財産の管理を行うことができなくなります。さらに被選挙権や一定の職業や株式会社の取締役、監査役等に就けなくなってしまいます。
また成年後見人を選任する際には成年後見人に対して報酬を支払わなければならない場合があります。親族や家族が後見人になる場合は報酬が不要かもしれませんが、弁護士等を後見人に選任した場合には報酬を支払わなければなりません。
〈成年後見に関する相談を司法書士へ依頼するメリット〉
成年後見人になれる司法書士は限られています。司法書士の中でも公益社団法人成年後見センター・リーガルサポートに登録している司法書士だけが後見人になることができます。後見人は就任すると原則年に一回裁判所に業務報告をしなければなりません。さらにリーガルサポートに登録している司法書士は半年に一度リーガルサポートに業務報告をすることが義務付けられています。
リーガルサポートと裁判所が二重にチェックをすることによって後見人となった司法書士が被後見人の財産を着服するような事態を未然に防ぐことができます。 さらにリーガルサポートでは、 預金通帳の原本確認を行っており、非常に厳格な審査を行っています。そのため後見人を選任する際に司法書士に依頼をするのが安心です。
さらに司法書士は民法などの法律に精通していますし、相続や債務の整理など金銭に関わる分野の業務を幅広く行っています。司法書士は金銭の管理について幅広く業務を行っているため後見人の財産の管理もしっかりと行うことができます。
後見人の財産が一定額以上ある場合、親族が後見人となれない場合があります。その際にも成年後見人に関しては司法書士にお任せください。 後見人に関して気になることがございましたらリーガルサポートに登録している司法書士にご相談ください。
〈会社設立〉
■会社とは
会社と言ってもさまざまな種類があります。会社法によれば会社とは「株式会社、合資会社、合名会社、合同会社をいう」(会社法2条1項)とされています。これらはどれも営利社団法人であるという点では共通していますが、合資会社、合名会社、合同会社は合わせて持分会社と呼ばれ(同法575条1項)、株式会社とは異なる特徴を有しています。
■会社設立
会社設立とは、会社という法人を新たに成立させる一連の手続きを言います。組織再編行為によっても、会社の設立はなされますが、新設合併・株式移転などの組織再編行為で成立する株式会社は、新たに法人格を認めるものではないことから、この意味での会社の設立には当たりません。手続きの規制についても、組織再編行為での会社の成立の場合は会社法25条から103条の規定が原則的に適用されません(同法814条1項)。
会社の設立については準則主義が採用されています。この場合における準則主義とは、登記官は、申請書類のみを審査して、法定の要件を充足さえしていれば登記の申請を受理することを意味します。この際、国家は、その会社が必要か否かなど、実質的な審査は行いません。
この他、社団法人、財団法人等の設立登記にも対応しております。
大原司法書士事務所では、流山市、松戸市、柏市、三郷市を中心に全国どこからでも遺産相続・不動産登記・成年後見・会社設立に関するご相談をお待ちしております。会社設立に関して少しでも疑問をお持ちの方がいらっしゃいましたら、まずはお気軽にご連絡ください。