遺言書 検認

遺言書 種類 

遺言書を勝手に開けたらペナルティ!?遺言書の種類と検認

遺言書を勝手に開けたらペナルティ!?遺言書の種類と検認

自分の死後、自分の財産を誰に譲りたいかなど、生前に書き残しておきたいと思うことがあると思います。そのような時に作成するものが遺書すなわち遺言書ですが、遺言書にはどのような種類があるのでしょうか?

遺言書の種類

遺言書には、大きく分けて、普通方式と特別方式とがありますが、今回は、普通方式についてみていきたいと思います。

普通方式には、「自筆証書遺言」「公正証書遺言」「秘密証書遺言」の3種類があります。

自筆証書遺言

すべて自分自身で作成するものを自筆証書遺言といいます。

基本的には、最初から最後まで全部自分で手書きをするというルールになっています。

ただし、「財産目録」に関しては、パソコンで作ったり、通帳や登記簿謄本のコピーを添付したりしてもよいという決まりになっています。

また、日付、署名・押印が必要という形式上のルールもあります。

日付としては、令和4年3月31日などの具体的な日付を書かなければなりません。「〇月吉日」のような書き方では無効となってしまいますので、注意が必要です。

自筆証書遺言は、それこそチラシの裏に「遺言書」と書いてしまっても、上記のルールを満たしていれば遺言書として成立してしまいますから、作成することのみに関しては手軽に安価で作ることができてしまいます。

遺言書の保管についてですが、自筆証書遺言の場合、基本的には自分で保管しておくものですが、もし紛失してしまったらもう一度新しく作り直さなければならなくなるので、心配な場合は誰かに預けておいても構いません。最近では、法務局に預けられるようにもなっています。

 

公正証書遺言

公証役場で公証人に文書を作ってもらう遺言書を公正証書遺言といいます。

自分自身で作成する自筆証書遺言と違って、人に依頼して作ってもらいますし、そのために、戸籍謄本や不動産の評価詳細がわかる登記簿謄本・固定資産評価証明書などの書類を集めなければならないため、その分、費用や手間がかかります。

公正証書遺言の場合は、原本は公証役場で保管され、正本・謄本という写しとなります。ですから、仮に手元にある遺言公正証書を失くしてしまったとしても、公証役場に行けば新しいものを再発行してもらうことができます。

 

秘密証書遺言

自筆証書遺言のように自分で作った遺言書を公証役場に保管してもらうものです。

紛失させたくない時は有効かもしれませんが、このタイプの遺言書を作るというケースはあまり聞かれません。

 

よく作成される安心なのは公正証書遺言

単に作成時の費用や手間を考えると、自筆証書遺言のほうが手軽で安価なため良いように思えますが、実際のところ、自筆証書遺言では、手書きや日付等作成上のルールが守られておらず無効になったりすることもあるため、その方が亡くなった時には検認という手続きが必要になってきたりと、あとの手間が公正証書遺言よりもかかります。けれども、公正証書遺言では、公証人というプロに作成してもらいますので、無効になることは非常に少なく、また、相続発生後の手間も少なくなっています。

「作る時は簡単だけれど事が起きた時に手間がかかるのが自筆証書遺言」

「作る時に手間がかかるけれども事が起きた時に楽に手続きが進むのが公正証書遺言」

なので、自筆証書遺言よりも公正証書遺言のほうが、実務上利用をお勧めしています。

 

遺言書の検認とは

公正証書遺言の場合は、公証役場で保管されているためトラブルはなかなか起こらないかと思いますが、

自分で保管している自筆証書遺言の場合、死後などに誰かが遺言書を発見してしまい、そうとは知らず開封してしまうというケースもあるかと思います。

そのような時、開封してしまった人には、何かしらペナルティが発生するのでしょうか?

実は、自筆証書遺言については、全文が自分の手書きであること、具体的な日付があること、署名がある、捺印がされているという4つの要件を満たせばよく、特に封をしなさいという決まりはありません

ですが、やはり中は見られたくないという気持ちから遺言書には封をされる方は多いですし、見つけた方も勝手に開封してはいけません。勝手に開封すると、5万円以下の過料(罰金)というように民法に規定されています。

なので、開封しただけではペナルティを課されることはありません。

また、自分にとって不利な遺言書だったため、自分の都合のいいように一部書き足したり書き直したり、または破棄したりするような行為が見られる場合には、相続権がはく奪されるなどの重いペナルティが課されることがあります。

 

では、遺言書を発見してしまった時は、どうしたらいいのでしょうか?

自筆証書遺言を見つけてしまった場合には、勝手に開封せず、「検認」という手続きをする必要があります。

遺言書の検認とは?

自筆証書遺言を家庭裁判に提出し、「家庭裁判所で開けて確認してもらった」という証明書をつけてもらうことを「検認」といい、自筆証書遺言を見つけてしまった場合や生前に自筆証書遺言を預かっている場合は、見つけた人、預かっていた人が遺言者が亡くなった際に家庭裁判所でこの「検認」という手続きを申し立てる必要があります。

 

遺言書検認の手続きは?

自筆証書遺言でも、法務局に預かってもらっているものは、検認の手続きは不要ですが、自分自身でまたは第三者が保管している場合には、その相続が起こったことを「知ってから遅滞なく」家庭裁判所で手続きするようにと定められています。特に、何日以内までにとか、何か月後以内にという規定はありません。

 

遺言書の検認の具体的な手続きの流れ

検認の具体的な流れとしては

① 手続書類の収集、作成

② 提出後、家庭裁判所と検認日程の打合せ

③ 検認当日に申立人が出頭、検認済み証明書を発行してもらう。

の三段階となっており、遺言書を家庭裁判所に提出してから1か月~1か月半程度かかります。

 

遺言書の検認申立書の記載の仕方

遺言書の検認の申立書は次のフォームになります。

https://www.courts.go.jp/vc-files/courts/file2/2019_igonsyokennnin_rei.pdf

 

これは、家庭裁判所のホームページからダウンロードできます。

*裁判所のホームページhttps://www.courts.go.jp/saiban/syosiki/syosiki_kazisinpan/syosiki_01_17/index.html

① 事件名

「遺言書の検認」と書きます。

裁判所のホームページからダウンロードする場合はすでに書かれてあることもありますが、書かれていない場合は自分で書くことになります。

② 印紙

800円の印紙の添付が必要です。ただし、押印はしないでください。

 

③ 家庭裁判所の場所

ここに記載するのは、遺言者の最後の住所地を管轄する家庭裁判所と決められています。申立人の住居に近いところの家庭裁判所に提出することは認められていません。

 

④ 日付

ここに書く日付は提出する日付ではなくて、「裁判所に到着する日」を書くのが基本です。

 

⑤ 申立人の記名押印

申立人は遺言書を見つけた人もしくは遺言書を預かっている人ということになります。印鑑は、実印でなく認印でも構いません。ただし、シャチハタは認められません。

 

⑥ 添付書類

まず、遺言者の方の法定相続人が誰になるのかということがわかる範囲の遺言者自身の戸籍謄本が必要です。これは、遺言者に子供がいるのか、両親は存命かなどで変わってくるものですが、必ず必要となってくるのが遺言者が生まれてから亡くなるまでの戸籍謄本になります。

それから、相続人にあたる方の現在戸籍がわかるもの(戸籍謄本でなくても戸籍抄本でも構わない)と、住所地がわかるものが必要です。ケースによっては、遺言者の両親や兄弟姉妹の一生分の戸籍謄本が必要な場合もあります。

 

⑦ 申立人・遺言者

『申立人』には、遺言書を見つけてしまった人もしくは預かっている人、『遺言者』には亡くなった方の本籍・現住所・連絡先・氏名・生年月日・職業をそれぞれ記載します。住所には住民票記載の住所を記載します。

 

⑧ 申立ての趣旨

遺言書の検認については、「検認をしてほしい」ということが趣旨になりますので、「遺言者の自筆証書による遺言書の検認を求めます」と記載します。

 

⑨ 申立ての理由

書式は、家庭裁判所によってさまざまなため、今回のように最初から最後まで自分で書くケースと質問形式で進んでいくケースがあるのですが、書く内容としては「どこで遺言書を見つけたのか、もしくはどこに遺言書を保管していたのか」「遺言者が亡くなったという事実」を記載することが多いです。

今回は、「申立人は遺言者から令和〇年〇月〇日に遺言書を預かり申立人の自宅の金庫に保管していました」「遺言者は令和〇年〇月〇日に死亡しましたので、遺言書(封印されている)の検認を求めます。なお、相続人は別紙の相続人目録のとおりです。」というように記載します。

 

⑩ 相続人(別紙)

「何月何日にここの家庭裁判所で○○さんの検認を行います」という通知は、相続人全員に通知されることになっています。そのため、相続人の連絡先が必要になってきます。ですから、相続人全員の本籍・住所・氏名・生年月日を記載します。

例えば、相続人の中には、全然連絡を取っていないとか連絡先を知らない人がいて住所がわからないという場合もあるかと思います。

その場合、その相続人の「戸籍の附票」という書類を取得することができます。

この「戸籍の附票」は相続人の本籍地に請求することで入手できるもので、住所の証明となる書類です。

本籍地は、相続人であれば戸籍謄本を集めることができますので、それを見ればわかります。

まとめ

遺言書にはいろいろなものがありますが、よく使われるのは自筆証書遺言公正証書遺言で、自筆証書遺言の場合、遺言書があとで無効になることがあったり、家庭裁判所で検認という手続きが必要になったりすることがあるというものでした。

また、検認という手続きは、申立書を提出する前に戸籍謄本などを集めるだけで1か月から1か月半かかり、遺言者が亡くなってから申立書提出まで2~3か月後にやっと手続きが開始できるというようなことになります。

そのようなことを観点に入れると、自筆証書遺言よりも公正証書遺言のほうがよりよいのではないのではないでしょうか?

 

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この記事の著者

  • 長谷川 耕太

    出身校:福岡大学
    生まれ年: 1982年生まれ
    趣味 :燻製作り
    仕事内容 :相続手続がスムーズに進められるよう、お手伝いさせて頂いております。
    金融機関のお手続き代行や、相続放棄、不動産の名義変更、遺産分割協議など、
    相続に関することでしたら何でもご相談ください。
    当事務所HPhttps://www.plus-souzoku.com/

     

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