相続

相続全般の知識・手続き・相談

相続とは?

相続という言葉を耳にされたことのない方はいらっしゃらないのではないかと思います。ですが、この相続、実際に自分が体験してみないとわからないことが多いのも事実です。

また、相続について、知らないままだと、損することがあったり、トラブルに巻き込まれることもあります。それは、相続される側にとっても、相続する側にとっても同じことが言えます。今回は、そんな相続について見ていきます。

 

相続とは?相続のタイミングは?

相続とは、亡くなった方の財産を残された人が引き継ぐことです。この財産を残した人のことを被相続人、引き継ぐ方を相続人と言います。そして、相続がいつ始まるかと言えば、財産を残された方が亡くなった瞬間から始まっているのです。つまり、場合によっては、相続人が知らない間に、相続は開始されているのです。また、相続税を納める必要がある場合は、相続が開始されてから10か月以内に、申告と納税をする必要があります。10か月と言うと、割に長いような気がしますが、実際には、多くの手続きが必要だったり、納税資金を用意する必要があるため、あっという間と言ってもいいでしょう。

相続の対象となる財産は?

では、相続の対象となる財産にはどのようなものがあるのでしょうか。

すぐに思い浮かぶのは、不動産や預貯金、有価証券、それに現金かもしれません。あとは、自動車や家財、宝石や貴金属、美術品といったものも相続の対象です。さらに、貸付金や売掛金、借地権や借家権、それにゴルフの会員権、自動車なども相続対象です。これらは、プラスの財産と言えますが、注意をしておかなければいけないのは、マイナスの財産も相続対象となるということです。マイナスの財産とは借金等の債務や公租公課等の負債のことを言います。相続の対象となる財産には、亡くなった時点で残っていたプラスの財産とマイナスの財産、どちらも含まれるのです。

相続の対象となる人、相続人とは?

また、相続の対象となる人、相続人には、どのような人が該当するのでしょうか。相続人には、「法定相続人」と「受遺者」とがあります。大まかにですが、見ていきます。

・法定相続人

民法で定められた、亡くなった人の配偶者と血族相続人のことです。血族親族とは、子供や親、兄弟等のことを言い、実際に血の繋がりのある場合と、養子縁組をした場合があります。民法では、血族相続人について、優先順位が定められています。最も優先順位が高いのは、子供、次が直系尊属と呼ばれる父母や祖父母等、次が兄弟といった順番になります。また、配偶者は、血族親族とは別に、相続人としての権利を有しています。

・受遺者

遺言書で財産を譲ると示された人のことを言います。

 

相続の種類・方法は?

相続と一口に言っても、いくつかの種類があります。

・遺言相続

遺言書の内容に沿って、財産を相続していきます。この場合、遺言書が法的に有効であることが必要です。

・分割協議による相続

相続の権利を有するものが、全員で協議をして相続を行うことです。

・法定相続

民法では、相続人の順位や財産の分割割合を定めています。それに従って財産を相続することを言います。

また、相続財産には、借金等のマイナスの財産もありますから、相続を放棄することもできます。基本的には、相続はプラスもマイナスも併せて権利を引き継ぐことになりますから、マイナスを放棄してプラスだけを手にするということはできませんし、相続を放棄する場合も、手続きが必要となってきます。

相続の流れは?

相続は、被相続人が亡くなった時点から開始されると説明しましたが、どのような流れで進めていくことになるのでしょうか。

まず、大切なのは遺言書の有無の確認です。そして、相続人を確定することも必要になります。これらは、被相続人が亡くなって、初めてわかる、調査をするといった場合もありますから、案外、大変な作業になってきます。勿論、財産を調査して、その内容を確定するといった作業も出てきます。

これらの、いわば準備作業が終わると、遺言書の開封や財産の分割についての協議等を行っていきます。法定相続で、分割割合が決まっていても、何をどのようにして分けるといったことを決めていく必要があります。

これらを経て、10か月以内に相続税の申告、納税を行う必要がありますから、スケジュールは、割にタイトなものとなってきます。

スムーズに相続を進めるには?

では、このような相続をスムーズに進めていくには、どのようにすればいいのでしょうか。色々と調査することもありますし、勿論、法的な手続きも必要になります。また税金に対する知識も必要となってきます。一般の方が、自分の力だけで、これらのことをこなしていくのはかなり大変だと思います。相続に対する知識がある専門家に早めに相談していくこく方がいいでしょう。

 

今回は、相続について見て来ました。遺産を残す側も残される側にとっても、知識を持っておくことは大切なことです。相続が開始される前、つまり亡くなられる前から相続について考えるのは不謹慎にとられるかもしれませんが、トラブルを起こさない、巻き込まれないためには、相続についても、きっちりとした知識を持ち、準備をしておきましょう。

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この記事の著者

  • 司法書士

    土屋 顕大