相続全般の知識・手続き・相談
相続争いでトラブルにならないためにどうすべきか?揉めないために事例を踏まえて解説します!

目次
相続は誰にとっても避けられない問題ですが、遺産を巡って家族や親族との関係が悪化してしまうケースがあります。実際に多くの家庭で相続争いが起きており、感情的な対立に発展することもあります。
そこで本記事では、よくある相続争いの事例や、争いが起きた末路、そしてトラブルを未然に防ぐための具体的な方法を詳しく解説します。
相続争いとは?
相続争いとは、遺産を受け継ぐ過程で家族や親族の間で起こる意見の対立やトラブルのことを指します。遺産の分配を巡って感情的な対立に発展することも多く、円満だった関係が壊れてしまう原因にもなります。
法律や手続きだけでなく、家族関係や過去の出来事が複雑に絡み合っているため、事前の準備が非常に重要です。
相続争いでよくある事例
実際に起こりやすいトラブルには、どのようなものがあるのでしょうか。ここでは代表的な相続争いの事例をいくつかご紹介し、原因や背景についても触れていきます。
兄弟で遺産相続額に差があるケース
親が一方の子に多く遺産を残す、もしくは生前贈与を行っていたことで、兄弟間で不公平感が生まれ、争いに発展するケースです。
事前にその事実が共有されていない場合、「自分は親に大切にされていなかったのか」といった感情的な摩擦が生じることが多くあります。生前贈与の記録が曖昧であると、贈与の有無や金額について意見が分かれ、話し合いがこじれる原因にもなります。
このような事態を避けるには、贈与があった場合は記録を残しておくとともに、可能な限り早めに家族で情報を共有しておくことが望まれます。
介護していた人に寄与分を負担しないケース
長年介護をしてきた家族が、他の相続人と同じ割合で遺産を分けることに納得できず、寄与分を主張して対立することがあります。介護に費やした時間や労力、金銭的支出が評価されず、報われないと感じることで不満が爆発するのです。
法律上、寄与分は一定の条件下で主張することが認められていますが、認められるかどうかの判断には客観的な証拠が求められ、簡単ではありません。家族内で介護の分担や金銭的負担を明確にしておくことで、後々の争いを避けることにつながります。
遺言書の有効性が問題になるケース
自筆の遺言書に不備があり、内容が争点になるケースです。相続人の一部が無効を主張し、裁判になることもあります。例えば、日付の記載がない、署名が不完全、訂正方法が誤っているなどの形式的なミスが原因となる場合があります。
遺言内容があまりにも一方に偏っている場合、「精神的に正常でなかったのではないか」といった主張が出てくることもあります。こうしたトラブルを避けるには、公正証書遺言の作成を検討することが有効です。
相続前に遺産を使ってしまったケース
親の財産を無断で使っていたことが明らかになり、それが他の相続人とのトラブルの原因になることもあります。通帳からの引き出しや、不動産の無断処分などが発覚すると、不信感が一気に高まります。
使用した本人が「親から頼まれた」「介護費用だった」と正当化しても、他の相続人が納得しないケースも多く、返金や損害賠償を巡って争いに発展することもあります。金銭の出入りがある場合は、必ず記録を取り、家族に共有することがトラブル防止につながります。
前妻との間に子どもがいるケース
異母兄弟など、関係性が希薄な相続人がいる場合、遺産分割協議が円滑に進まず、法的な争いに発展することもあります。前妻との間の子どもにも相続権があるため、存在を知らなかった家族が驚くこともあります。
関係が薄いだけに話し合いも難航しやすく、感情的な対立に発展するケースがあります。このような場合も、遺言書の作成や事前の説明が、トラブルの回避につながります。
相続争いを行った末路
相続争いが起きた場合、その後どのような結末を迎えるのか、実際の例を通じて見ていきましょう。感情のもつれや法的トラブルがどのような結果を生むのかを知ることは、対策を講じるうえで重要です。
相続争いで絶縁関係になる
遺産を巡って激しく対立した結果、兄弟姉妹の関係が完全に切れてしまうこともあります。相続前までは仲の良かった家族が、わずかな金額の差や過去の感情のもつれから深刻な亀裂を生じ、二度と口をきかなくなるという事例もあります。
家族の絆を失うことは、金銭的な損失以上に大きな精神的ダメージとなり、後悔しても取り返しがつかなくなることもあるのです。
訴訟問題に発展する
話し合いで解決できず、訴訟に発展してしまうと、費用や時間、精神的な負担が大きくのしかかります。調停や裁判には数ヶ月から数年かかるケースもあり、その間に関係性がさらに悪化することもあります。
訴訟問題は公開の場での争いになるため、家族のプライバシーが守られにくくなることも一因となり、精神的な疲弊を招きます。
相続争いで疲れて精神的病になる
争いが長期化し、ストレスによってうつ病や不眠症などの精神的な不調を抱える方もいます。感情的な対立が続く中で、心の安定を失い、仕事や日常生活にも支障をきたすようになるケースがあります。
遺言書の内容や親の介護に関する不満が争点になる場合、自分の存在や努力を否定されたと感じ、精神的に深く傷ついてしまうことがあります。早期に専門家の助けを借りることが、精神的な負担を軽減するには重要です。
遺産相続で揉める人と揉めない人の差は?
相続がスムーズに進む家庭と、争いが起きてしまう家庭には、どのような違いがあるのでしょうか。その差を知ることで、自分の家庭がトラブルを回避するために必要な準備が見えてきます。
相続で揉めない家庭には、いくつかの共通点があります。
まず、遺産の全体像があらかじめ家族に共有されており、各相続人がそれを理解していることが重要です。誰が何を相続するのか、その理由も含めて話し合いが行われていることが多いです。
逆に、何も伝えられていない家庭では、突然の相続発生によって驚きと不信感が生じ、感情的な対立に発展する可能性が高くなります。
相続争いにならないためにはどうするべきか?
争いを未然に防ぐためには、どのような準備や工夫が必要なのでしょうか。
不動産をどうするかを事前に決める
相続財産に不動産が含まれている場合、売却するのか、誰かが住むのか、それとも賃貸に出すのかなど、利用方法をあらかじめ家族で話し合って決めておくことが重要です。
不動産は現金と異なり分けにくいため、何も決まっていないまま相続の場面を迎えると、取り分をめぐって揉める原因になります。
共有名義で相続することになった場合、維持費や税金の負担についても後々トラブルになりやすいため、役割分担や将来の処分方針について合意しておくことが望まれます。
遺言書を作成する
公正証書遺言を用意しておくことで、法的にも有効な指示を残すことができ、争いを避けやすくなります。
自筆証書遺言に比べて、公正証書遺言は第三者の証人や公証人が関与しているため、無効とされるリスクが低く、後のトラブルを防止できます。
内容については専門家に相談しながら作成することで、より確実な効果が得られます。
生前のうちに不動産を売却する
家族間で仲が良くない場合などは、生前のうちに不動産を売却して現金化しておくことで、相続時の分配を明確にしやすくなります。現金であれば、法定相続割合に従って公平に分けやすいため、感情的な対立が起こりにくいです。
早めに処分して資金化しておけば、老後資金や介護費用にも充てられ、生活設計がしやすくなります。
生前のうちに不動産を売却しておくメリット
不動産は相続トラブルの原因になりやすい財産の一つです。そこで、生前に売却しておくことで得られるさまざまなメリットについて解説します。
相続税が安くなるケースがある
不動産の評価額によっては相続税が大きくなってしまうこともありますが、現金化しておくことで非課税枠に収められる場合があります。
都市部や地価の高いエリアでは、相続税評価額が思っていたよりも高くなるケースが多く、結果的に多額の相続税を支払うことになる可能性もあります。
現金であれば納税原資としても活用できるため、よい選択肢です。相続発生後に慌てて売却するよりも、計画的に生前売却を検討しておくことが節税対策にもつながります。
相続手続きの手間がかからない
大切な親族がお亡くなりになられた場合、精神的にも疲弊しているため、不動産の名義変更や登記手続きはたいへんです。不動産を売却しておけば、相続手続きを簡略化できるのがメリットといえます。
※ただし、所有者の者が生前のうちに不動産を売却した場合、売買による所有移転登記は必要です。
不動産を相続するには、被相続人の戸籍収集から始まり、遺産分割協議書の作成、登記簿の変更申請といった多くの書類準備と法的手続きが求められます。
これらを正確に進めるには専門知識が必要な上、時間や労力もかかるため、慣れていない人にとっては大きな負担です。
多額の収入を得られる
土地価格が高い地域の場合、想定よりも高額で売却できることがあり、生活資金や老後資金に活用できます。駅近や再開発地域、住宅地として人気のあるエリアでは、購入希望者が多く集まりやすく、思いがけない価格で売れる可能性もあります。
得られた資金は、自身の老後資金として活用できるほか、住宅の住み替え、医療・介護費用の確保、さらには子どもや孫への生前贈与などにも役立てることができます。
不動産を売却せずリフォームして利用するのもおすすめ!
不動産を売却すると将来的にその物件を利用することができませんが、リフォームして自宅として活用すれば、資産を保持しながら有効に活用できます。
長年住み慣れた実家や思い出の詰まった家を手放したくないという気持ちを持つ方にとって、リフォームという選択肢は精神的な安心感も得られます。
相続した物件が老朽化していても、耐震性の向上や省エネ設備の導入などにより、快適な住まいとして再生させることが可能です。
不動産の売却・リフォームの悩みは、大希企画株式会社へ!
相続争いに悩むことなく、煩雑な相続手続きを避けたい方は、1988年創業の「大希企画株式会社」へご相談ください。川崎市を中心に地域密着で活動する不動産会社で、35年以上にわたって地域の皆さまの不動産課題に寄り添ってきた実績があります。
相続不動産に関する豊富な知見をもとに、売却・買取・リフォームなど幅広いサービスを展開しています。
同社は、これまでに20,000件以上のリフォーム実績を誇り、老朽化した空き家の再生など、活用方法にも強みを持っています。
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まとめ
相続争いは、家族の絆を壊す大きな原因となります。よくある事例や末路を知り、事前に対策を講じることが大切です。遺言書の作成や不動産の売却、専門家への相談などを通じて、トラブルのない相続を実現しましょう。
この記事の著者
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一般社団法人士希の会が運営する「空き家相続サービス」では空き家を中心とした不動産の相続に関するコラムや解決事例を紹介しています。空き家になった不動産の利活用や売却もしっかりサポート!不動産相続の専門家を調べることができるので、ご自身に合った専門家を見つけることができます。
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