相続

管理・活用

売却

空き家をアトリエとして活用した事例

1.【相談者様のお悩み】

東京都内にお住まいの男性から、相続された田舎にある実家ついてご相談を頂きました。

相続直後に地元の不動産会社に売却を依頼したが、1年以上買い手が見つかっていない状況とのことでした。

 

2.【ご相談内容詳細】

ご相談者様は東京都内に住んでおり、実家のある田舎に2ヶ月に1度は管理を行うために帰省されているとの事でした。

ご相談物件は建物面積が約70㎡の木造2階建ての物件です。

ご相談者様は当該エリアの過疎化が著しく、土地としての資産価値がほとんどない事を理解されておりました。また建物も築50年以上経過しており、老朽化が酷かった為、タダでもいいので早く手放したいというご希望でした。

 

3.【解決に至るまでの流れ】

当該物件の現地調査を実施したところ、大きい家具等を除いて、細かな物については既に処分されている状態でした。

建物全体の傷みとしては、築年数相応の傷みと言えますが、リフォームを行えば十分活用できる状態であると感じました。

ただし、キッチン・風呂・トイレ・洗面などの水回りの設備については交換が必要な状態で、業者に依頼した場合は数百万円の費用がかかる事が想定されました。また床や壁についても腐食はないものの、汚れが目立ち張り替えが望ましい状態でした。

 

現地調査後にご相談者様と打ち合わせを行い、販売戦略を練りました。

候補として出た案と、それぞれのメリット・デメリットは下記の通りです。

 

案1:解体し更地で販売する

メリット:2ヶ月に1度行っている管理の手間から解放される

デメリット:解体費用が掛かる。また固定資産税が上がる(解体すると翌年から固定資産税が上がります)

 

案2:必要最低限のリフォームを行い販売する

メリット:直ぐに住める状態となれば、検討いただけるお客様の数が増える

デメリット:リフォーム費用が最初に掛かる上、いつ売れるかはわからない

 

案3:ターゲットを絞って現況で販売活動を行う

メリット:販売する上で事前に費用が掛かる事がない

デメリット:購入後にリフォームが必要になる為、検討いただける方が少ない

 

最終的には、費用負担が苦しいとの事でしたので、案3(ターゲットを絞って現況で販売活動を行う)で売り出す事になりました。

早く手放すという目的達成のためには、最も選ぶべきではない選択肢として感じられる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、この販売方法にしかない独自のメリットがあります。

それは、購入後に物件のオーナーが“自分の好きな様にリフォームできる”という点です。

 

近年では不動産に対する価値観が多様になってきており、自分の好きなように空間を作りたいという方も一定数いらっしゃいます。また、コロナの影響もあり、地方での生活に関心を持つ層も増えてきました。

今回は、そういった方達をターゲットに、SNSを用いた情報発信を行いました。

 

その結果、都内にお住まいのクリエイターの方で、少し前から田舎にアトリエを持ちたいと考えていたという方から問い合わせをいただきました。数回の面談と現地案内を行い、最終的には現況でご購入いただく事ができました。

購入後に自分自身でDIYをされるとの事で、1階をアトリエとして活用され、2階を住居として使用されるそうです。

 

4.【ご相談者様の声】

不動産を売却するなら地元の不動産会社に頼むべきだと考えておりましたが、活用アイディアや、販売戦略に強みを持っている会社は、どこの物件でも売却できるのかと驚かされました。

今回ご相談に乗って頂き、解決出来た事を大変嬉しく思っております。

 

5.【担当者の一言】

相続で発生した物件を売却したいとの声は当団体にも多く寄せられます。

その中には今回のような築年数の古い空き家の相談が多いです。

売り手市場と言われるようなエリアであれば、広告掲載するだけで反響があるものですが、買い手市場の場合は販売戦略を緻密に練る必要があります。本件では、打ち出した販売戦略が上手く行き、ご相談者様の希望をかなえる事ができたので良かったです。

 

 

※本事例でご紹介しております売買・リフォーム等は、必要とされる許認可を持つ事業者の協力を得て行っており、当団体が直接行っているものではございません。

予めご了承ください。

この記事の著者

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